
About "Pullup Wax"
今回は新しくDUALコレクションに採用された、"Pullup Wax"レザーについて解説いたします。
日本ではあまり流通のないこの革ですが、手掛けているのはイタリアのBadalassi Carlo社です。
Badalassi Carlo社はイタリアのベジタブルタンニン鞣し協会の一員でもあり、クロムなどを使わず油脂も天然由来の物のみを使用するなど、伝統的な手法のみを用いて革を鞣しています。
これらの工程は非常に手間や時間がかかりますが、革にタンニンが浸透することで繊維同士をしっかりと引き締める事が出来ます。
油脂を多く含ませた革をオイルレザーと呼びますが、オイルレザーの中でもさらに多くのオイルを加えた物がプルアップレザーと呼ばれます。
反面、強度をしっかりと確保する為に表面への削りは最小限に留まり、革本来のシワやスレなどが入ることもありますが、それ故に革らしい表情としっとりとしたオイル感の両方をお楽しみ頂けます。
実際に革を軽く曲げてみると、曲げた部分が部分的に白くなります。この現象はプルアップと呼ばれ、多量のオイルが繊維の内部に含まれており、曲げた際の圧力でオイルが動く事から起こるものです。
中でもこの"プルアップワックス"は、オイルを加えた後に表面からワックス成分も入れている為、最初のやや曇った表情から深い艶が出てくる素晴らしい経年変化が楽しめます。
オイルレザーは柔軟性が高くなり、小傷が入っても使い込む事で傷も目立ちにくく経年変化が楽しめるのですが、プルアップワックスは特にそれが顕著です。
当店ではさらにこの革にひと手間加え、アイロンで表面を整えています。
元々はより革由来のシワやムラがかなり強くでている革ではありますが、これにより自然な風合いやオイルによる色ムラと、スムーズな質感のバランス取ることで高級感とヴィンテージレザーのような質感をお楽しみいただけます。
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